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貧乏で、なんかぞうきん臭く、なんのとりえもない26才にして未だチェリーボーイの富男(とみお)ゎ、毎日の日課である、小銭探しの旅にでていた。
「ちぇっ、一円玉か…」
富男ゎ、スッと一円を拾うと丈の短いペラッペラのジーンズのポケットに無造作にしまいこんだ。
「今日ゎ、165円か…」
富男ゎ、今日ゎ諦め部屋へと帰っていった。
ドアのちっさい南京錠を外し、部屋に入ろうとすると「野見さーん!荷物預かってるから!」
大家が段ボールを抱えてきた。
「あ、はぁ…すんません」
段ボールを受け取ると、大家が嫌な顔をしながら、「それとね、あんた!少しはオシャレしたらどうなの?恥ずかしい!」
「は、はぁ」
富男にゎ、それしか言うことばがなかった。
部屋に入り荷物の送り主をみると
野見カツヨ
母からだった。
久々の母からの仕送りに富男ゎワクワクしながら段ボールを開けた。
磯の香りがする。富男の口の中ゎみるみる唾液でいっぱいになった。
段ボールの中には…
つづく
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