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「どっこらしょ…」
カツヨゎ小さなボロボロの仏壇の前に座った。
「お父さん、富男が東京でジャーニズだかに入って、三年たったよ…」
カツヨがそう語り掛ける視線の先にゎ、カツヨの亡き夫、富政の遺影があった。
富政ゎ10年前に落とした十円玉を追いかけた際にトラックにひかれ、この世を去った。
しばらく、遺影を見つめた後、カツヨゎフゥーとため息をつき立ち上がった。
「久しぶりに、富男に仕送りさしてやるかね…」
カツヨゎ台所を見渡した。
しかし、めぼしいものゎなにひとつなかった。
「情けないねぇ…」
カツヨが途方にくれていると、玄関のドアが開いた。
ガラガラ!「カツちゃーん、いたかぁぁい?」
「あら、シゲさん、おはよう!」
シゲさんは、カツヨの家の2軒となりのビニールハウスに住む男で、なんやかんやカツヨと親しくしていた。
「昨晩、浜がほら、しけただろ?昆布が大量だぁ!どうだい?ちょっくら!」
そう、威勢よく話すシゲさんの表情ゎ何故か照れ臭そうだった。
そう、カツヨに淡い恋心を抱いていたのだ。
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