最終楽章 ― 協奏曲
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もう、離れられない。そう、思った。 「あ、ちょっとそのネックレス、貸して」 「え? あ、う……うん」 まだ恥じらいから抜けられないらしい詩音の手の平からネックレスを奪う。 そしてポケットに入っていたもう一つのものを取り出すと、するりとそれに通した。 一連の動作をじっと見てはいたが、何があったのかよくわからない様子の詩音の首にそれをかけてやれば、眸が少し見開かれたのが伺えた。
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