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結局、葵は病院には通わずに自宅に引きこもるようになった。
母はもう諦めたのか葵と口を聞こうとも、目を合わそうともしなかった。
――――空気のような存在――――
まさにそれだった。
───…
葵が昼近くに目覚めた、ある日の休日…
階下から楽しそうな母と芳と………知らない女の声が聞こえた。
葵は足音をたてぬように、そっと階下へと足を向けた……
そっと覗き込んだリビングには見知らぬ少女………
芳の隣に座って楽しそうに笑っている…
時に芳の腕を叩いたりと………
【親しい関係】だと誰が見てもすぐに気付くだろう。
葵は口元を押さえながら自室へと走り込んだ―――
その足音に芳だけは気付いていた。
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