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慌てて葵のもとに駆け寄る芳…
『あ、葵!?』
思わず体を数回、揺さぶった―――…
すると葵は重そうな瞳をうっすらと開けた。
『…芳?…どしたの?』
ダルそうに言い放った葵に芳は目が点になった
『どうしたって、お前……』
左腕に目をやる芳の視線を追う葵………
そして当たり前のように呟く
『あ~大丈夫………死ぬほど深くは切れないから…』
驚くことに、葵は微笑んでいた
『…なっ…なに笑ってんだよ!?』
『…クスっ…気持ち悪い?…軽蔑する?』
くすくすと笑いながら葵はゆっくりと起き上がった
『今に始まったことじゃないし……あの女(母)も知ってるよ…?』
まるで気が狂ったように笑って言ってやれば……
ほら、芳は後ずさる………
すでに葵の左腕の血は止まっている
ただ切る場所が多いから血が多かった
そしてショックと貧血で葵は横たわっていただけだった…
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