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シゲより先にベッドに入る。
小さく丸まって目を閉じる。
今日のシゲを振り返る。──本人には、内緒の事を。
そう、思っていたのに──
シゲが思ったよりも早く寝室にやってきた気配に、目を開ける。
私の視線に気付いたのか、私に近付いて抱きついてくる。
眼鏡を掛けたままだ。眼鏡の奥の瞳は、青い。ハーフだからだ。
一旦私から離れて、サイドテーブルに眼鏡を置くとベッドに潜り込んでくる。
そうして、私を抱き寄せて抱き締める。
啄(ついば)むようなキス──段々深く。
胸への愛撫と、キス。──シゲのありったけの愛情で。
それが終わると、また抱きしめてくれる。
「おやすみ」
私の耳元で囁くように言って、目を閉じる。
「おやすみ……」
私は、彼の胸元に顔をうずめるようにして眠る。
大好きよ?
愛しているわ。
精いっぱいの愛情で愛してくれるから、ありったけの愛情を貴男(あなた)にあげる。
大きくてあったかい背中が大好き。
抱き締める手が大好き。
毒舌で、茶髪で、無精髭で、青い瞳の私だけの王子様。
──世界一愛してる──
──Fin──
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