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 今日は、会社の定休日。といっても、水曜日で世間的には平日だから、街にはあまり人気(ひとけ)がない。  天気は晴れ。デート日和といったところか。  化粧と支度をぱぱっとする。服は蒼いワンピースと白いカーデガン。あまり着飾るのが好きではない所為かどうしても手早く、になる。  シゲは、パステルブルーの開襟シャツと紺のスラックス、少し濃い青いジャケット。髭が無いのでいつもよりも爽やかだ。最も──そうしないと一緒に歩かない、みたいに言った所為もあるのかも知れない。  私が外に出ると、シゲが鍵を掛ける。 「で?何処行くんだ? 時間早くないのか?」 「映画見て、食事かな。見たいのあるから。だから、そんなに早くないよ」  真っ直ぐ映画館へ。映画を見ていたら左肩に重みを感じた。見るとシゲが寝息を立てている。結局、終わりまでそのまま過ごした。  映画館を出ると、お昼には少し早い。けれど、人込みや混雑を嫌うシゲに合わせて早めに昼食を取る。少し洒落たレストランで、普段なら絶対行かない所。 「これから何処か連れて行って?」  私に合わせてくれたから、午後からは、シゲに合わせるつもりでそう話し掛ける。 「あぁ、ちょっと遠いけどいいか?」  ほんの少し不安げに私を見る。 「いいよっ」  にっこり笑ってそう言うと嬉しそうな顔になった。  店を出て、ふたり並んで歩き始める。私は、シゲの腕に手を絡めた。  シゲが驚いた顔をする。そりゃそうだ。めったにやらないせいだろう。髭が無い格好良いこの男(ひと)が私の夫だと行動で示したいのかもしれない。
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