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大の大人が何をしてるんだと自嘲しつつも辞めようとはしない、この木は中々の大木で恐らく樹齢は自分よりもあるだろう。
「あっ!」
思い出したかのように声を高くあげ、木の全体を遠くから見つめた。
「これ、桃の木だっ!」
どこかで見たことがあると思って見てみるとそれは桃の木だった。正体が分かったところで親近感が沸いてきて、さっきの不機嫌もどこかへ行ってしまい何だか嬉しくなる。
子供に戻ったかのように少しばかり好奇心が沸きだってきて、わくわくしながら桃の木の幹に登り始めた。いつの間にか雨もやんでいて、人も居ないことだし登ってみるかといつもなら考えられない破天荒な思いに忠実に従ってしまう自分がいる。
「たまには良いよね」
雨で濡れてる部分に気をつけながら、枝と枝の間をすり抜けていくが---何かを掴んだ。
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