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ざああとシャワーの音と湯船から湯を吐き出す音がエリックの耳にこびりつく。湯気で汗が落ちるがそんなものに構わず、彼女の体温を取り戻すことだけが今の自分の脳内に残る。
彼女の手を取るとわずかながらだが体温が上がってきているし、呼吸も少しずつだができている。
エリックは安堵してシャワーのホースを床に置き、翔矢を呼んだ。
「翔矢ー・・・!?」
「あら、男前がいるわー!」
翔矢の名前を呼んだはずが、別の人物が浴室へと入ってきた。顔が整っている長身の男。黒い瞳をにっと細めて笑うが、何か変だ。
「はいはいちょっと失礼ー、自己紹介は後でね」
「・・・はい?」
「晶(あきら)、この人困ってるから」
あれ?と思い辺りを見回してみると第三の人物と目があった、髪が伸びっぱなしの女の子で晶と呼んだ人物の後ろにいる。晶は乾いた笑いをしながらタオルやら何やら取り出しエリックに向き直り、少女もエリックの正面に立つ。
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