1200人が本棚に入れています
本棚に追加
「…なんで、わかった?」
私は恐る恐る聞いた。
いつもは目を見て話すのに、今は見れない。
「なんとなくだよ。」
そう、朔は笑顔で言った。
「朔、そんなのありえないよ…?」
そう、そんなのありえない。
なんとなくでなんかわかるはずない。
だって、今まで誰もわからなかったもん。
「今までみんな、騙してこれたもん!」
騙していたことに今さら涙が出てくる。
体だって怖くて震えていたはずなのに、なぜか口調だけはキツかった。
でも朔は、そんなのへでもないと言うように言い放った。
「俺も同じだったから。
高校に入るまでは、俺も笑えなかったんだ――。」
最初のコメントを投稿しよう!