1200人が本棚に入れています
本棚に追加
こんなに笑えたのは、久しぶりかもしれない。
そんなことを思っていると、女が口を開いた。
「凄く優しい笑顔。
そんな顔で笑えるなんて、羨ましい…。」
とても寂しそうに。
そして、なんだか辛そうで…。
俺は気になったが、それ以上に女の言葉に驚いた。
“凄く優しい笑顔”
そんな事を言われたのは、初めてだ。
俺はみんなに恐れられ、話した事すらない。
そして今まで、俺が笑うと
“残虐な笑みだ”
と言われていたから。
もしこの女が俺の正体を知ったら、どうなるのだろう。
もう話し掛けてこないだろうか?
それとも、怖くて震えてしまうだろうか?
そう考えていると、自然と口が開いて話し始めた。
「さっ「俺の名前は、
『春日 朔(カスガ サク)』。
あんたの名前は?」
なんか遮ったっぽいけど…。
最初のコメントを投稿しよう!