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俺の問に奴は妖しく笑うと下にいた優を抱き上げた。
そしてまた俺たちに向き直り奴は低い声で、
『そいつの抹殺は果たせなかったが…王族はもうこちらのもの。
紅桜様もさぞお喜びになるだろう。』
「くっ…;」
俺の反応を面白そうに見つめた後、奴は忽然と姿を消した。
それと同時に体が自由になる。
「くそっ!!」
…紗亜羅のもとに駆け寄ってから体が全く動かなくなった。
それほど奴の威圧は凄まじかったんだ。
―…
―バタバタバタ
「朔ー!紗亜羅ー!!」
優を奪われ後悔にふけっていると、学園の方から瀬斐羅と仁、隼人がこっちに向かって走って来ていた。
それを俺はぼぉーっと見つめる。
「ハァハァ …って、紗亜羅!?」
「なんですかっ、この傷は!!」
「てか、優は?」
みんなそれぞれに喋りだし俺に問いかけくる。
俺はそれに少しずつ、今あったことや初めて聞いたことをすべて答えた。
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