『囚われの姫』

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――… 『ユウ、あなたがこの世界を守る姫になるの。』 「姫…? それは美味しいの?」 姫とゆうものを知らなかったユウは、首を傾げながらアホな質問をした。 その問いにユウの母親は苦笑いをすると優しい声で、 『ふふっ…違うわ、ユウ。 姫とゆうのはね、あなたが育ったこの世界を危ないものから守る人のことをゆうの。』 「危ないものから…。」 『そう。 そして、争いのない平和で温かな世の中を続けていくの。 …あなたに出来るかしら?ユウ。』 母親の真剣な問いにしばし考えた後、ユウは太陽に匹敵するような満面の笑みで「うん!ユウ、この世界の姫になる!!」と言った。 母親もその答えに微笑むと、首もとにあった透き通る紅いルビーの首飾りをユウの胸元に当てた。 そして小さくなにか呟くと、その首飾りはユウの体の中に溶け込んでいった。 「うひゃあ、なにこれっ!? ペンダントがユウの中に入っちゃった…。」
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