『囚われの姫』

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―チリッ 「…っ!!;」 思い出そうとした時、胸元に軽く焼けるような痛みが走った。 そこをバレないように手で隠すと、麗婪さんを睨み付ける。 そして、 「あなたの主人は…紅桜ですよね? 彼女に合わせてくださいっ!!」 震える声を悟られないよう、私は大きく言いはなった。 そんな私を見透かすように見つめると、薄く笑って鎖で閉められたドアに手を掲げた。 すると、 ―ガシャンッ! 「なっ…;」 あれほど頑丈そうだった鎖が呆気なくバラバラになってしまった。 あ、ありえない… 忍者の次はマジシャンかよ; てかまさかそんなに頑丈じゃなかったんじゃ…? 心の中で呟くと、私は変なものを見るような目で麗婪さんを見上げる。 それに気づいたのか、麗婪さんは振り返った。 「さぁ、姫君? 紅桜様のところへ行くのでしょう?」 そう言って不気味に笑うと、私の方に手をのばした。
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