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橋爪の目を見つめるが、答える気は無いようで口を開かない。答えたくないというよりは・・・橋爪が話すにたる人物か否か見定めているように感じた。
俺を値踏みとは良い度胸だと、橋爪のテンションが上がる。
「では君の持ち物についてだが、この際モデルガンは良しとしても、随分と物騒な物ばかり持ち歩いているな」
「ミリタリー同好会に所属していまして。弓道やアーチェリーと同じくボーガンにも大会があるんです。メジャーではありませんが」
「ナイフはどう説明する」
「父親の形見です」
これが嘘なら大した役者だ。まあ正直に言ったからといって許される事では無いが。
「・・・成程。因みに、君は何故ここに連れて来られたか理解しているか?」
「ええ」
「銃刀法違反、ではあるが、そんな生易しいものでは無いぞ」
再び少年が口を閉ざす。しかしそれは驚きによるものでは無い。やはりこの少年、何か知っている。
「そうそう、言い忘れていたが君には黙秘権がある。答えたくない事には答えなくとも良いが、答えた方が良い事もあるぞ」
「・・・」
「このままでは君は殺人犯として逮捕されかねない状況だが、それでも黙秘するかね?」
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