少年との出会い

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すると面白いくらいに不審物が出るわ出るわ。モデルガン、手錠、ボーガンときて、果ては刃渡り15~20センチはあるサバイバルナイフだ。当然警官は有無を言わさず署に連行。そして今に至るという事らしい。 怪し過ぎて逆に疑わしさが消える。だが五十嵐曰く、犯人では無くとも何か知っている様子との事。 だから黙秘しているのか他に意図があるのか。署の裏手にある駐車場に車を停めた橋爪は、それを知るべく取り調べ室へと直行した。 ノックをして戸を開けると、机をはさんで椅子に座っていた二人が視線を向けてきた。 手前に居た五十嵐の顔に安堵が、そして奥に居た少年の顔に・・・何故か驚愕が浮かぶ。 「・・・どこかで会った事があったかな?」 「・・・いえ」 「お?」 少年の呟きを聞いて五十嵐が軽く驚いた。どうやら少年は本当に一言も話さなかったようだ。 ならば早速とばかりに五十嵐が立ち上がり手で椅子を指す。 心を開いてくれた訳では無かろうが、少年が自ら開いてくれた突破口を無駄には出来ない。 ネクタイを少し緩めて椅子に座り、少年と向き合った。
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