彼女の前に。

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「彼かお前か…どちらかを犠牲にするのなら、もう片方を助けてあげるよ」 赤目の大蛇は舌をチロチロ出して笑う。 夢のように現実感のない世界の中で、その緑色の体だけが奇妙なくらいリアルだった。 「どちらか、だけなの?」 「どちらかだけさ。全ての決定権はあんたにある。さぁ、選べ選べ」 赤目の蛇はニヤニヤ笑い。 どちらかだけ…考える必要なんかない選択肢。 「私は死んでかまわないわ」 赤目の蛇はニヤニヤ笑い。 楽しそうに、笑うだけ。
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