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「まるで奇跡、ですよ。あんな絶望的な状態から二人とも回復するなんて」
誰かの声。
ゆっくり目を開けると、白い天井が見えた。
「……奇跡でもなんでもいい。本当に…良かった」
大好きな人の声。
ゆっくり視線を動かすと、涙で顔をぐしゃぐしゃにしている夫がいた。
「あ、なた?」
目を覚ました私を見て、彼は時が止まったかのように固まってしまった。
「な…夏美ぃ!」
その後、彼の愛情たっぷりな涙と鼻水を私の顔につけられたのは…言うまでもない。
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