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『何か とてつもなく凄い物なのかしらね?』 美和に聞かれても 答えようが無い そんな「骨董品」を持ち歩く趣味もなければ わざわざ形見の品を分解する馬鹿もいない 『よく判らないが とにかく現物を見なければな』 ‡ 止む無く 時計を隠した場所へ向かう事にしたが マギーと美和の凸凹コンビでは心配なため 二人には なるべく 動かないようにと 釘を刺し 目的地へ向かう 何の変哲も無い ただの 墓地… 父親の名前を刻んだ墓石は 案の定破壊されていた 奴らが時計欲しさにアチコチ調べたんだろう が 俺の用が在るのは 母親の旧姓で建てられている 祖父母の墓 仰々しい 家門の付いた 一抱え程の四角い石をズルズルと横へずらすと 骨坪と その奥には 俺の相棒 と 父親の形見の腕時計が見える 『また… 世話になるぜ……相棒……』 形見の腕時計を左手首へ巻き付け 相棒は腰のホルスターへ それぞれを所定の位置へと戻すと 辺りを警戒しつつ 墓地を後にする
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