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墓場の入口を通過して 一般道へと続く道を くわえ煙草で 歩いているときに背後に嫌な気配…… 『懐の拳銃を捨てて コチラに向き直って貰うか』 少し違和感のある日本語と 耳慣れた金属音 温和しく懐のジェリコを右手で抜き トリガーガードに人差し指を引っ掛けて ブラリとぶら下げて 声の主から良く見える様に捨てて見せ ゆっくりと振り返ると そこには 少年を思わせる風貌の男が一人 『…凜翁の… 部下か?』 答えは無いが その端正な顔立ちは 美和の言う「美少年好き」の特徴に合致する 間違いないだろう 『凜翁は まだ生きているぞ?俺を殺せば 奴の居場所も判らなくなるんだが それでも殺るのか?』 「美少年」が戸惑いを見せた 瞬間を見逃さず 左腕を大きく振ると 袖口からベストポケットが飛び出し そのままトリガーを引く 「美少年」の小さな掌で支えられていたジェリコは クルクルと回転しながら空を舞っていた
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