48人が本棚に入れています
本棚に追加
グイッと力を込めて「美少年」の喉をゴツイ革靴で踏み付ける ベストポケットの放った25口径の弾丸は「美少年」の持っていた ジェリコのスライド部分に当たっていた為 衝撃で右手首を傷め たいした反撃も出来ずに 俺に押さえ込まれているのだ 辺りを見回し 安全を確認した後に 靴の下で苦しそうにもがく生き物に問う 『お前 一人か?』 ヒューヒューと苦しげな息を吐きながら 強がりを言う「美少年」に ヤンチャだった頃の自分を重ねてしまい イマイチ殺す気になれない自分を「甘い」と 窘める もう一人の自分がいる 『同情なんか要らない!殺すなら殺せっ!』 かなり高い語学力を持つ様だ これならテロ等せず真っ当な仕事にも付けた筈だろうに 『これは 情けじゃぁ無い お前と俺の個人レベルの「取引」だ 今から言う話しを良く聞くんだ』 驚いた様に 目を丸くして頷く少年は 黙ったまま 俺の話しに耳を傾けた
最初のコメントを投稿しよう!