1年6ヶ月前

3/3
前へ
/42ページ
次へ
自覚してからは、もう僕は君の事ばかり考えるようになった。 子供といる時も、 仕事中も、 夜、眠る時も。 眠りについてからは、相変わらず夢の中に君が姿を現せる。 大体が、普通に君と会話をする夢。 でも、時折君と、まるで恋人同士の様な感じの夢を見る事もあった。 そんな時は、なかなか目覚める事が出来なかった。 夢の余韻に浸っていたかった。 仕事中、君を目で追う事が多くなる。 君と一緒のシフトの日は嬉しくなる。 君が恋人の話をすると哀しくなる。 でも、僕は君と普通に接していたよね? だから、君は「全然気付かなかった」って言ってたよね。 それはそうだよ。 僕は君とこんな風になる未来なんて、少しも想像していなかったんだ。 いつか、この想いが、誰にも気付かれないで、消え去るのをじっと待っていたんだ。 僕には家庭があって 君には恋人がいて。 ただ、僕は君の側にいられるだけで良かったんだよ。 そんな日々が、半年くらい続いた。 180の夜を僕は君と夢の中で過ごし、 180の日々を僕は君を想い過ごした。 ねえ、僕が今あの頃に戻れたなら。 僕は君とは恋に落ちない道を選ぶよ。 君は、傷付いても好きだからいいって言うけど。 仕方ないって言うけど。 気が狂いそうなくらいに大好きな君を、傷付けたくはないんだ。 でも、勘違いはしないで。 僕らの、ボロボロの恋を、後悔している訳じゃないから。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

187人が本棚に入れています
本棚に追加