1年6ヶ月前

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自覚してからは、もう僕は君の事ばかり考えるようになった。 子供といる時も、 仕事中も、 夜、眠る時も。 眠りについてからは、相変わらず夢の中に君が姿を現せる。 大体が、普通に君と会話をする夢。 でも、時折君と、まるで恋人同士の様な感じの夢を見る事もあった。 そんな時は、なかなか目覚める事が出来なかった。 夢の余韻に浸っていたかった。 仕事中、君を目で追う事が多くなる。 君と一緒のシフトの日は嬉しくなる。 君が恋人の話をすると哀しくなる。 でも、僕は君と普通に接していたよね? だから、君は「全然気付かなかった」って言ってたよね。 それはそうだよ。 僕は君とこんな風になる未来なんて、少しも想像していなかったんだ。 いつか、この想いが、誰にも気付かれないで、消え去るのをじっと待っていたんだ。 僕には家庭があって 君には恋人がいて。 ただ、僕は君の側にいられるだけで良かったんだよ。 そんな日々が、半年くらい続いた。 180の夜を僕は君と夢の中で過ごし、 180の日々を僕は君を想い過ごした。 ねえ、僕が今あの頃に戻れたなら。 僕は君とは恋に落ちない道を選ぶよ。 君は、傷付いても好きだからいいって言うけど。 仕方ないって言うけど。 気が狂いそうなくらいに大好きな君を、傷付けたくはないんだ。 でも、勘違いはしないで。 僕らの、ボロボロの恋を、後悔している訳じゃないから。
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