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何も考えなくても…やっぱり身体は自宅へ帰る道を進むもんなのか。
機械的な自分に少し幻滅していると、俺の部屋にノックが響く。
「龍くん?お帰りっ」
ドアを開けた少女は、にこやかに笑った。
長い髪と、濡れた肌。
タオルを肩にかけている。
どうやら風呂上がりのようだった。
綺麗な顔をした彼女に、龍夜はふいっと顔を逸らす。
「…何か用?」
「あれ…龍くんご機嫌ナナメ?」
ナナメどころじゃねぇよ、ほぼ直線だ、と言いかけたが、面倒になって口を閉ざす。
童顔が特徴的な、2つ上の俺の姉貴。
っていっても、学年は1つしか変わらないが。
まだ残っていた水滴が、彼女の輪郭をなぞりながら床に滴り落ちた。
「つーか…そんな恰好で部屋入って来んなよ」
呆れ気味に吐き捨てる。
明らかに下着姿な俺の姉。
「え?あぁ、いーじゃん!姉弟なんだしっ」
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