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「ハァー」
学校の校門の前で大きく溜め息をつく翼。
どうやって誤魔化そうか…。
もう昼だぞ、怒られるよな…。
そんな事を考えながら校庭をスタスタと歩く。
今は昼食時間らしく、校舎では生徒達の賑やかな笑い声が聞こえてくる。
だが、それに比べ校庭ではシーンと寂しさが漂っている。
4月でもう春だというのに冷たい風が吹いてくる。
その風に吹かれた桜並木の桜がヒラリと翼のもとへと舞ってきた。
こんな物に心をうたれる奴がいるらしいが、その心理がわからん…。
ただ目障りなピンク色のゴミじゃないか…。
そうこうしているうちに、3-3と書かれている教室の前まで来ていた。
ドアは閉まっているが、楽しそうな雰囲気がこちらまで伝わってくる。
「ここは後ろから…」
なにやら閃いたらしく、教室の後ろのドアを開け、そろ~りと音もたてずに入り込んだ。
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