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5時間の始まりを告げるチャイムが鳴ると、女子達の間からヒョコヒョコと教室に帰り出していた。
だが、まだ
「話しかけよーよ」みたいな声が聞こえてくる。
そんな彼女達だったが、
「もう授業始まってんだぞ!さっさと教室に戻らんか」
3-3の担任である横山先生に怒鳴られ、そそくさと散らばっていく。
「アイツらが居るって事は海藤が…」
そう呟き、翼の席の方へ目をやる。
鼾もかかずに静かに眠っている翼。
先生は青筋を少しピクピクさせながら教科書を手に持ち、ソロッと翼に近づいていく。
「あれやる気だぞ」
「いい気味だ…」
「翼君…危ないよ…」
「起きないと…」
男子は面白そうに、女子は不安そうな顔をして見つめている。
何故こうまで教室内で騒ぐのかというと、この先生は寝ている生徒を教科書の角で思いっきり叩くからだ。
先生は翼の前まで来る。そして気持ちよさそうに寝ている翼にもの凄いスピードで教科書を振りおろす。
がんッ!
…教科書は翼の頭に当たる事なく、机を思いっきり叩いていた。
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