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掃除時間になって、翼は担当である裏庭の掃除へと向かった。
ふわぁっと大きく欠伸を一つ。背伸びをし、体中を伸ばす。
「ダルい…」
そんな事をポツリと呟きながらダルそうに草を抜く。
しばらくすると、同じ班の子達がやって来た。
その中の一人、翼の席の隣である女の子が話しかける。
「職員室行かなくていいの?先生怒ってたよ」
「んあ?あぁ…ほっとく」
「ふうーん、そっか」
女の子は翼の隣に腰かける。
「…そういえば私の名前覚えてる?」
翼の顔をマジマジと見ながらそう尋ねる。
翼は即答で
「知らん」とかえす。
「田原 梨絵〔タハラ リエ〕よ、覚えてね」
そう言ってニッコリと笑いかける。
「たぶん明日には忘れてる…」
「忘れちゃ駄目よ。
あ、それと翼君友達ちゃんと作ろうとしてる?クラスの子とか興味無さそうにしてるから」
口を動かしながらもせっせと草を抜いていく梨絵。
「んなものはいらない…」
「「「えぇぇぇ!!!」」」
翼の呟きに辺りにいた全員が驚きの声をあげた。
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