わたしの決意、あなたの嘘

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綾菜ちゃんが携帯を開いた時、あたしはベッドの上に座っていた。 ちなみにベッドはちょっと間隔をあけてテーブルの横にある。 だから綾菜ちゃんがテーブルの前に座った時、 つまりはあたしのいるベッドに背を向けて座っていたことになるわけだけど、 あたしはそこでムクムクと好奇心が沸き起こってきた。   ――綾菜ちゃんの携帯を覗いてやろう  そう思ったんだ。 ベッドの上にいるから覗けるし、綾菜ちゃんは背を向けてるから気付かない。 軽い冗談のつもりだった。 どうせ、携帯ののぞき見防止で見えないかな~って思ってたから。 でも意外にも綾菜ちゃんの携帯にはそういったものはなかった。 だから見えてしまった。 一番見たくないものが見えてしまったんだ。 ――『from 山口くん』
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