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「あ、綾菜ちゃん!」
あたしはついにその事態の恥ずかしさに耐えられなくなり、ベッドから勢い良く上半身を起こした。
綾菜ちゃんはあたしがいきなり起き上がったことに少し驚いたようであったが、すぐにいつものかわいい声で「はい?」と返事をした。
あたしは綾菜ちゃんのニコニコした顔を恨めしそうに見つめていて思った、
――綾菜ちゃんって何げにエロいよな
と。
というか、今までの行動を見ていてずっと思っていた。
だって、最初に飲んだ時だって「おいで」って言われてチューされたし。
今思えば間違いなくその次の朝に胸の辺りについていたものはキスマークだ。
「綾菜ちゃんってさ~……エロいよね」
アハ、言っちゃった。
一瞬綾菜ちゃんはキョトンとしていたが、すぐに笑顔になった。でもその笑顔はみんなにいつも見せているものではなくて、時折見せるどこか艶っぽい微笑みだった。
あたしはいつもその違う表情にドキリとさせられる。
そして綾菜ちゃんはあたしをさらにドキドキさせるようなことを耳元で囁くのであった、
――「知りませんでしたか? 私ってエロいんですよ」と。
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