わたしの決意、あなたの嘘

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あたしは予想外の綾菜ちゃんの返答に言葉を失っていた。 その代わり顔が火照ってくるのがわかった。 「……か、顔洗ってくる!」 あたしは綾菜ちゃんに顔が赤いのを気付かれる前に、逃げるようにベッドから洗面所へ向かった。  洗面所で鏡をみたら、案の定顔は赤かった。 ちょっとしたことで顔が赤くなる自分の体質は嫌だったが、恨めしく思ったところで何も変らないので、このことは溜め息を一つつくことで終わりとすることにした。 改めて鏡に映る自分をみた。 鏡に映るのは表面上は昨日の朝とまったく変わらない自分。 しかし、昨日の朝の自分と今日の朝の自分は確実に変わっている。
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