わたしの決意、あなたの嘘

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昨日の朝は『動かないことが正解だと思っていた』自分。 だって何にもしなければ傷つかないから。  今日の朝は『一歩踏み出す勇気をもった』自分。 勇気を持てたのは、心から大好きだと思えたから。 その結果として、 そしてまた昨日の朝の自分と今日の朝の自分との決定的な違いとして、 『綾菜ちゃんが隣にいる』 ことが挙げられる。 昨日までは――  想いを伝えなくと良いと思っていた。 ただ「仲の良い主任」として側にいられればそれでいいと思っていた。 ――だけど、今は違う。 「仲の良い主任」じゃ、もう満足できない。 他の誰かじゃない、 あたしだけを見ていてほしい、好きでいてほしい。 人ってつくづく欲深いなと思う。 だけど知ってしまったから、 自分が好きな人が自分を好きでいてくれる幸せを。 だから、どうか、 あたしの側から離れないでいて。
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