わたしの決意、あなたの嘘

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顔を洗いおわったあたしは、綾菜ちゃんがいる部屋へと戻った。 綾菜ちゃんはすでにベッドから出ており、雑誌やらちょっとした小物やらが置いてある棚の所にいて、何かを見ているようだった。 「どうしたの?」 あたしは部屋に入るなり綾菜ちゃんに声をかけた。 あたしの呼び掛けであたしの存在に気付いたらしい綾菜ちゃんは棚に向けていた視線をこちらに移した。 「どんな音楽聞いてるのかなって思って」 「……音楽?」 ……あぁ、そうか。 その棚にはMDコンポも置いてあるんだっけ。綾菜ちゃんはMDにどんな曲が入ってるか見ていたわけね。 「そうです。主任の音楽の趣味と私の音楽の趣味似てますよ~」 それは意外だった。 女性のパワーシンガー系と言えばいいのだろうか? あたしはそういう力強い歌声を持っている歌手が好きである。 あと、ロックな曲とかよく聞く。 綾菜ちゃんはイメージからどちらかといえば、恋の歌を歌っているような女性歌手とか好きなんだと思っていた。
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