わたしの決意、あなたの嘘

13/16
前へ
/280ページ
次へ
――結果的に言うならば、確かに綾菜ちゃんの話は本当にたいしたことなかった。 『顔洗っても良いですか?』 これが綾菜ちゃんの発した言葉だった。 あたしは自分が「言うぞ!」っていう固い決意をもってた分、綾菜ちゃんのこの発言には力がぬけた。 綾菜ちゃんは「次は、主任どうぞ」とあたしに話の続きを求めたが、その話は綾菜ちゃんが顔洗ってきてからするということになった。 洗面所からは綾菜ちゃんが顔を洗い出したのだろう水の音が聞こえた。 すっかり拍子抜けしてしまったが、綾菜ちゃんが戻ってきたら綾菜ちゃんに今度こそ言わなくてはならない。 そう思っていた時、テーブルの上に置かれている携帯のバイブ音があたしを驚かした。 ――綾菜ちゃんの携帯だった。
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3970人が本棚に入れています
本棚に追加