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「……綾菜ちゃん?」
あたしは綾菜ちゃんにそっと呼び掛けた。
あたしの鼓動は相当高鳴っている。
綾菜ちゃんが起きていてほしい気持ちと、
起きていてほしくない気持ちが葛藤していた。
もし起きていたら、密着している綾菜ちゃんにあたしの心臓の音が聞こえているんじゃないだろうか?
――返事が返ってこない?
あたしはちょっとホッとした。
起きていないなら、明日にはこのことは『なんでもないこと』として片付けられる。
もちろん、あたしの心のモヤモヤ指数は高くなりそうだけど……。
結局……、やはり『変化』が怖いんだな。
あんだけお風呂で『想い』を伝えようって思ったのに……。
「……………はい」
………………はい?
え?
え?!
綾菜ちゃんの声………?!
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