千夜の涙

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 そこには、二匹の悪魔…人間が彼女の首を絞[シ]めている。  苦しげな顔をした少女は、だけど氷鬼の顔を見てニコッと笑ったのだ。  もの言いたげに開かれた口唇は言葉を紡がない。 「ささ…め」  名を呟きながら、数秒のうちに少女を捕らえていたものを引きはがす。
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