千夜の涙

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 細雪は氷鬼にぐったりとした身体を預けた。  雪のように白い肌にくっきりと残る指の跡。急速に体温を失っていく身を抱きしめた。 「死ぬな…細雪」  氷鬼は細雪を抱き上げると、人間たちを一瞥[イチベツ]してその場を立ち去った。  あの状況から判断すると、借金か何かか。
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