千夜の涙

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(死ぬな…っ)  ただそれだけが願いだった。  細雪の父は死んでいた。  薬が切れたのか、寿命だったのか。  一つはっきりしていることは、この少女が孤独になったということだ。 「愚かなものよ…人は――」  弱者にしか虚勢を張れない、そんな弱きもの。
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