千夜の涙

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 細雪の顔に笑みが浮かぶ。 「氷鬼…わたしを食べたい?」  細雪は微笑んだままだ。  氷鬼は夢を見ているみたいだった。 「何故にそう思う?細雪よ」  押し殺したような声で聞く。  そうしないと今にも自分が抑えられなくなりそうで。  少女の濡れたような黒い瞳が真っすぐに氷鬼を射ぬく。
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