千夜の涙

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 今日も山を下りてきた氷鬼は、彼女を見守るために人の姿に化けて村へ潜り込んでいた。 「細雪…」  呟きながら、少女の住んでいる家の近くまで来るが、ふと足を止めた。  何やら騒がしい。  嫌な予感がして、人込みを掻き分けながら家を覗き込む。 「!?」
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