†バレンティア魔術学校†

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スコットは一言発すると教室を出て廊下を歩き出した。ルカもそれを追う。 スコット「知ってるか?俺達のいなかったこの100年。色々あったんだ。」 血で血を洗う戦争。 民衆のデモ。 貧困。難民。 スコット「だが俺達は死んでいる存在。あの日、『始まりと終わりの日』にみんなで決めた約束で『これからの世の中の動きに一切手を出さない』そう決めたよな?」 そうだ。 どんなに世の中が乱れようと廃れようと私達は手を出さない。 それはしかたのないことだった。 スコット「だけどさ。俺達がいない世界は立ち直った。まだいい世の中になったもんだ。なんでだと思う?」 スコットはある石像の前で立ち止まった。 スコット「偶像主義ってーのはあんまり好かないがみんな俺達の伝説に助けられてたみたいだ。」 ルカの目の前にある石像は四戦士の石像であった。 それぞれの石像には名前が彫られてあった。 そしてそれぞれの石像の前には花がいっぱい供えられていた。 ルカ「校内見学の時は通らなかったな…」 スコット「初めての授業の時に四戦士の歴史とこの石像を見せるようになってるんだ。アリスにはいちいち語る必要はないと思ったけど、この石像だけは見て欲しかったからさ。」 ルカは涙した。 民衆はまだ私達を忘れることなく求めている。 スコット「これでいいのかな?」 スコットは小さく呟いた。
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