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出てきたのは、少しくせ毛めだがふんわりとした金髪をもつ、俺より10㎝ほど背の高い男。
背が高いといってもがっちりとしているわけではなく、どちらかといえばひょろ長い感じがする。
それでも頼りなさげに見えないのは、その顔と纏っている雰囲気のせいなんだろな……
十分に端正と言える容姿だけど、気さくで人懐っこい人なんだと、何故かふとそう思った。
「…………誰?」
俺の姿を目にとらえたその人は、頭のてっぺんから爪先までゆっくりと視線を移動させると、目をパチパチと瞬かせて尋ねる。
まぁ、ドアを開けて知らない奴が立ってたら、驚くのも無理ない。
「倉沢 刹那……転校してきた」
俺は必要なことだけを並べて、簡単にそう告げた。
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