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「ありがとう、おじいちゃん。」
幸太郎が、そう言ったのは初めてで、彼が無事に成長したのだと知った。
「みんな、俺には無かった強さを持っていたよ。
でも、
今 俺は同じ、
──それ以上の強さを持ってる。」
「…幸太郎、過去に行っていた時の様子を土産話で話してくれないか?」
「えー。やだよおじいちゃん。」
「減るもんじゃないだろ?」
まあ、きっと話してはくれないだろう。
それが良いんだ。
知らないからこそ、未来を生きられる。
未来を、作れる。
「テディ、楽しかったかい?」
「……はい。とても。」
「幸太郎、」
「な、なんだよ。」
「暖かかったろ?」
「………うん。」
その言葉を聞けただけで、満足だ。
彼等は、とても暖かい。
「みんな、これで最後なんだね…」
「りょーたろー!大丈夫だって!!」
「俺等は皆、心の奥にぶっとい絆があるんや!!」
「だから、僕達はいつでも会えるんだよ。」
「私と家臣……いや、仲間と言う絆でな。」
「そんでも、もし心配なら──、」
「帰ろうか、幸太郎、テディ。」
「うん。」
「はい。」
未来は、こうして繋がっているんだよ。
だから、過去の僕、
精一杯、生きるんだよ。
おまけ→
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