時のいたずら

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ある日A子(仮)が中学から帰ってくると、いきなり母親が「あんた今日学校さぼって街歩いてたでしょ?」と言ってきた。 A子は学校へはちゃんと行ったし、抜け出してもいない。 しかし母親は「でも確かにあれはあんただったわ。」と言う。 が、「普通休んだりすれば学校から連絡がくるよ。」という事で、その話は落ち着いた。 二、三日して、今度は友人が「今反対の電車に乗ってたよね?」と電話してきた。 だがその時A子は家にいて、電車に乗るのは不可能なのだ。 A子は自分が家にいることをつたえると、友人は「じゃあそっくりさんだったのかな?そーいえば服装がOLさんみたいだったし違うかな。」と言ってその話もそれで解決した。 数年の月日が流れ、A子は会社で働くようになった。 会社へはいつも電車を使うが、ある日不思議な体験をする。 駅で電車に乗り、何気なく窓の外を眺めていると、向かいの電車の中に懐かしい顔を見つける。 あの友人だ。 しかしどう見ても自分と同じ歳には見えない。 まるで中学生のようだ。 気付かないふりをしてしばらく見ていると、その友人は電話をかけはじめた。 と、ここでA子は中学のときの友人の電話を思い出した。 もしかしたらあの時、友人は今ここにいる私を見たのではないか? とすると、どこかで母にも会っていたのか? 時を越える不思議な話。
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