帰宅

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夜が明けて来た。 お供えの為のご飯が炊けたサインが鳴った。 もうこんな時間なんだ… 時間だけが刻々と進んでいく。 10時には葬儀屋さんが来るって言っていたけど、やり残したことが有るようで 落ち着かない。 ご飯を食べる気になれないから取りあえず珈琲を飲む。少しでも気持ちを落ち着かせるためだ。 9時を過ぎると近所の方がお線香上げに来てくれた。 誰もが信じられないと涙ぐむ… その涙に私も吊られてしまう。 もう、涙腺が開きっぱなしな状態になっている。 10時になって葬儀屋さんが来た。 お母さんを最後のお風呂に入れてくれた。 その後、着替えてお化粧をしてもらった。 益々、寝ている様だ… いよいよ棺に移される… お母さん、狭いよね… そっと顔に触れてみる。 何時以来だろう、お母さんに触れるのは… もっと触れておけばよかった。
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