訃報

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救急外来の受付に最初に着いたのは 私だった。 警察官の人がいたので 話し掛けてみる。 『あの…電話を頂いた〇〇ですが…』 『あっ!娘さん?!今、処置室にお母さんはまだいます。状況を説明します。』 … … 事故の状況の説明を聞いている時にお父さんが到着した。 直ぐに処置室に呼ばれ中へ… 中で先生から説明を受けているようだ… 看護士さんが私の所に来た。 『〇時〇分にお亡くなりました。娘さんも中にお入りください。』 !!!! 直ぐに中に入った… そこには目を閉じて眠っている様な 母の姿が横たわっていた。 涙が次から次から溢れてくる… 『お母さん、痛かったね…』 『お母さん…』 『お母さん…』 涙が止まらない… 顔には事故で受けた傷が痛々しく残っている…。 眠っている様で、亡くなっているとは とても思えない。 『これから検査をします。それからお家に帰る支度をしますからね。』 看護士さんにそう言われて処置室を出た。 涙が止まらなく震えが止まらなかった。 「妹に伝えなきゃ…」 とにかく携帯に連絡をする。 『あのね…〇時〇分に亡くなっていたんだって…直ぐに来て…』 電話の向こうで妹の震える涙声が聞こえる。 とにかく次にやらなきゃいけない事… 親戚に連絡しなきゃ! 家に帰ってくるお母さんの為に お布団も準備もしなきゃ… 事故車の移動も頼まなきゃ… 葬儀屋さんは… お母さんに付き添っているお父さんの変わりに私がやらなきゃ… 泣いてなんていられない… でも… 「お母さん」涙が出て来ちゃうよ…
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