手配

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実家に車を走らせる。 頭に過ぎるのは母が呼ぶ私の名前。 『〇〇ちゃん、〇〇ちゃん』 何故だかこの声が頭の中をこだまする… 涙が溢れる。 実家に着いてとにかく親戚に電話を 片っ端からかける。 昨日、お母さんと話しに出た葬儀屋さんに とにかく電話を入れて手配をした。 布団。 お母さんが普段使っていた物に 新しいシーツをかけなくてはいけない… シーツって何処? 実家を出て20年近くなる為に場所なんて 把握してない。探さなきゃ… 漸く見付けて部屋にいつ帰って来ても良いように準備をした。 事故車、何時も利用している車屋さんに連絡…番号は?場所は判るけど…また、探してみる。葉書が見付かったので電話をしてみる。 『母が事故をしまして…まだ現場に車が放置してあるので移動と保管をお願いしたいのですが…』 事故現場を伝えて鍵を渡してお願いをした。 玄関のベルが鳴る…
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