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「うちら
すれ違いやってんな」
え………?
さっきまで電話越しに
聞いていた声が
真後ろから聞こえる
「…うちも、ね、
亮ちゃんのこと…ちゃんと知ってなかった。
上辺だけ…見てたんかもしれへん」
信じられなくて
まさか
こんな近くにいたなんて。
身体が
疼く
振り返りたくて仕方ないのに
うまく
身体が言うことを聞いてくれない
「亮ちゃんごめんね、
うちな……もう一回、亮ちゃんと…」
あかん、
それ以上は…
気が付いたら、
すぐに身体が勝手に動いてて
あやねを抱きしめてた。
『あかん……それ以上は…俺が言うから…』
きつく
きつく抱きしめて
もう離したくないくらい
強く
「りょ…ちゃん……っ」
俺の頬に
俺の涙じゃない涙が触れる
『…………もう一回、
俺と…最初から始めよ』
君と出逢う
もっと前から、
始めるんや
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