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「...」
彼には聞こえない程度のため息を漏らす。
今ここにいるのは、四月一日君尋と百目鬼静の二人。今は年に一度の花火大会で、二人は花火を真下で見れるという特等席にいるのだ。
「来て良かった。綺麗....」
この感動も百目鬼のお陰だな。両親がいなくなってからこういうのに無縁だったし。ささやかな幸せをくれた百目鬼にほんと感謝。
「なぁ。」
ふと起き上がり隣りを見る...
「...百目鬼?」
目が閉じている。
「寝たのか...?」
顔を除き込む。
『いや...寝てねえよ。』
「...嘘つけ、寝てんぢゃねぇか。部活とかで疲れてんだろ?」
『なんとでも言っとけ。俺はただ』
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