4人が本棚に入れています
本棚に追加
どれほど経ったのだろうか。それほど経ってはいないのだろうけど、今の俺たちにはとても長く感じた。
「…そろそろ…行こう」
普段は何か嫌なことがあっても笑っていられる俊哉でさえ、今のはさすがに堪えたらしい。声が消沈している。
その後、俺たちは食料保管所に辿り着いた。しかし、その間誰一人として口を開く者はいなかった。
「やっと着いたな」
「そうやな、これで今日か明日位まで食料の問題は無さそうやな」
俺たちは近くの民家の中で食事を取ることにした。
中には缶詰や長持ちしそうな食べ物が色々と詰め込まれていた。
ブッ。
誰かのオナラだった。
「いやー、すまんすまん。腹がいっぱいになったんでつい。」
それは弘樹のオナラだった。
「ちょっと何してんだよぉ~。くさいよ」
俊哉が鼻をつまむ。
「ったく弘樹らしいぜ」俺は こんな状況なのにな と付け加えようとしたがやめた。
はははっ。いつの間にかみんな笑っていた。
沙織も笑っていた。それを見て、みんな安心した。そして、さらに笑った。
いつまでもこの時間が続いて欲しいと本気で願った…。
最初のコメントを投稿しよう!