第二章 始動

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第二章 始動

気付くとそこはいつもの俺の部屋ではなかった。 「なんだここは?」 そこは東京ドーム位あるような倉庫みたいだった。 「うぅ、なんやここは」 弘樹が起きた。みんな近くで寝ていたようだった。 まわりを見回すと数多くの若者がいた。多分スーツや振袖を着ているのをみると成人式に出席していた人だろう。 そして彼ら、もちろん俺達にも腕輪と首輪がついていた。嫌な予感がした。 「何なのここは?何でこんなところにいるの?」 沙織は辺りを見回しながら言った。 「俺達は店を…出た後どうしたのだろうか…」 大地は冷静に言った。 「ちょっと待ちぃ、何やのこの腕輪と首輪!」 弘樹は今気付いたらしい。 そこら中でざわめきが起きた。 するといきなりブザーがなった。 「えーみなさん、初めまして。私は大人選考会の田中です。急ではございますが貴方がたはまだ一人前の大人ではないのです。えー、そこで今年から大人になるための試験をすることにしました。それは『生人式』です!」 俺は田中という人物が何を言っているのか理解できなかった。 「えー、最近の若者はマナーもなく自己中心的で、昔の大人のような賢い大人は少なくなってしまいました。えー賢いというのは単に頭が良いということではありません。えー総合的に評価しますのでそのつもりで。」 「何言ってやがんだー!早く帰らせろー!」 よくいる不良が叫んだ。 「えーそれではルールを説明します。これからこの外にでて4日間生き延びてもらいます。その首輪はスタートして24時間経つと毒の針が貴方達の首を串刺しにします。それを防ぐためには人を殺して相手の腕輪に表示される暗証番号を入力して下さい。そうすればまた24時間生きられます。なお、みなさんも友達というものがいるかと思いますので最大5人でチームを組むことができます。それは腕輪を操作して名前を同じチームでエントリーさせて下さい。開始30分後にはエントリー出来ないようになるので注意して下さい。食料は外のあちこちに用意してますが、人数分だけです。食料保管所で配布しますがそこでの待ち伏せは禁止します。武器は外にあるものなら何でもいいです。もちろん素手でも。こちらも当たりとしていくつか用意させて頂いていますので探して下さい。最後に腕輪の確保は禁止していますので4日分の腕輪を1日に確保したり拉致したりということは止めて下さい。その時点で失格です。では」
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