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重い足どりで俺達は外に出た。それを見た他の人達もぞろぞろとでてきた。
「あぁー めっちゃ眩しいやんけ」弘樹は目をつぶりながら言った。
今まで薄暗い倉庫にいたせいか物凄く明るい…そう、まるで天国に来てしまったかの様な錯覚に陥ってしまった…。
「とにかくチームの登録だ…」大地はまたも冷静に言った。
「そうだった。すっかり忘れてたよ」俺はそういうと腕輪をいじってみた。
「おっ、メニューが出てきた。これがあれだから…これか!」適当にいじっているとそれらしきものがあった。
「チーム名かぁ ふざけやがって ただのゲームだと思ってやがる」俺はいてもたってもいられない気持ちになった。
「まあまあ昇ちゃん。そのおかげでチームが組めるんやから。そうやあらへんやったら今頃殺しあってたかもしれんねんで!」弘樹は言った後で後悔した。
「なんでそういうこと言うのよ!」沙織は弘樹を睨みながら言った。
「すまん!そういうことを言おうと思ったんやないんやで、ただ、早ようチームを組まなあかんのちゃうかなと…ホンマにすまん」
「チームは のとひださ ってのはどうかにゃ~」俊哉が久しぶりに口を開いた。ずっとチーム名を考えていたのか…。しかも意味不明だ。
「名前の頭文字か…」大地は手を握ったり開いたりしながら言った。
「そう!正解~!とにかく名前入れちゃお~」
そして俺達はチームを登録した。ふーっと大きな息を吐いた。
辺りを見回すと自然があふれていた。もし、こんな状況じゃなかったらどんなに嬉しかったことか…皮肉なもんだとしみじみ思った。
それにしてもここは森の中のようだがどのくらい広いんだろうか?
腕輪を見るともうすぐ12:00になるところだった。
「ねぇ~ 早く食料もらってここでご飯食べようよ~。ピクニックみたいで楽しいと思うよ」俊哉は楽しそうに言った。
「本当にお前はのんきだな」気付くとみんなの表情はゆるみ、沙織も少し元気が出てきたように見えた。
「よっしゃ そうと決まれば早よ行こか」弘樹はバックパックから地図を取り出した。そしてみんなで歩き出した。
その時!目の前の茂みから人影が飛び出してきた…。
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